日本大学芸術学部映画学科

2024年度インターンシップレポート第5弾です。今回、インターンシップで学生を受け入れていただいた企業は、株式会社オンリー・ハーツです。

インターンシップ報告書

近藤憲知

私は今年の6月から株式会社オンリー・ハーツのインターンとして勤務した。本稿では、インターンでどのような仕事をしたか、そして、そこから何を学んだかを述べていく。

まず、私が初めに請け負った仕事は、オンリー・ハーツやその他の会社で製作したVシネマを番号順に並び替える、というものだった。社内倉庫には無数のVシネマがあり、この機会に整理整頓する必要がある、ということである。社内に置いてあるVシネマには、オンリー・ハーツやその他会社が製作した作品が多数収録されており、その膨大な量を仕分けるのに苦心したが、実際に作品のシナリオを読ませてもらったり、作品制作の裏話を聞かせてもらったりと、非常に身になる経験となった。

次に私が行ったのは、オンリー・ハーツにて配給される映画『幸せのイタリアーノ』『画家ボナール ピエールとマルト』の宣伝補助として行う電話交渉である。このインターンのメインとも言える仕事だ。『幸せのイタリアーノ』はイタリア映画、『画家ボナール ピエールとマルト』はフランス映画ということで、イタリアやフランスに関連する施設、主にイタリアンレストランやフレンチレストラン(ビストロ)にポスターやチラシを置いてもらい、立ち寄った客に興味を持ってもらうというのがこの仕事のねらいである。

具体的な仕事内容としては、上映される映画館(シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺)の近くにあるイタリアンレストランやフレンチレストランをピックアップしてリストを作り、その店へ順々に電話をかけ、交渉を行うという手順だ。電話をする相手には、柔和に対応してくれる人もいれば、そうでない人もいる。この電話交渉の仕事を通して、私は映画宣伝の実際だけでなく、営業マンないしは社会人の心得のようなものを学んだ。

7月からは、上記の電話の仕事と並行して、オンリー・ハーツが過去に配給した映画のポスターを丸めて整理するという仕事を行った。こちらもVシネマの仕事と同様、社内の整理整頓が目的とのことだった。ポスターを丸めるだけと言っても、ポスター袋に入れるためにポスターを小さく丸めるのが意外にも難しく、初めはかなり苦労したが、作業を重ねていくにつれて徐々に慣れ、また、ここでも映画や音楽に関する裏話等を聞くことができ、比較的楽しい仕事であった。

最後に行ったのは、過去に販売したポスターやパンフレット等の納品書から販売率を割り出し、リストを作成するという仕事だ。具体的には、納品書に書かれたポスターやパンフレット、その他Tシャツなどのグッズを映画館等に納品した数と、そこで実際に販売された数をスプレッドシートに入力するという仕事をした。これにより、どの映画館が売れやすく、売れにくいのかが一目瞭然になり、今後の販売計画をより効率的なものにすることができる。この仕事を通して、映画配給をするにあたり、いかに数字が大切かということがよく分かった。

勤務当初は、初めてのインターンということもあり、不安でいっぱいだったが、社長の奥田さんと須原さんに温かく迎えていただき、なんとか大きな失敗もなく、20日間のインターン実習を終えることができた。私は今回の研修を通して、映画配給がどのようにして行われているかということを間近で体験させていただいた。ポスターやパンフレットなどのグッズを製作し、宣伝効果のありそうな場所にチラシを片っ端から配り、少しでも多くのお客様に映画を見てもらう。自分たちが普段何気なく見ている映画宣伝の裏では、こういった配給会社の熱意と努力が根底にあるということを私は改めて学んだ。今後の社会人生活でも、ここで得た経験を糧に、日々精進していきたいと考えている。

インターンシップの様子

2025/01/10

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