日本大学芸術学部映画学科

2025年度インターンシップレポート第2弾。今回、インターンシップで学生を受け入れていただいた企業は、松竹音楽出版株式会社です。

インターンシップ報告書

近藤陽太

 

私は5月中旬から7月末まで、松竹音楽出版株式会社のインターンシップに参加させていただいた。松竹音楽出版は、松竹グループの音楽事業を担う企業であり、映画や演劇などの映像作品における音楽の著作権管理や、サウンドトラックの制作を行っている。また、劇伴制作のプロデュースも行っており、映画音楽のプリプロダクションからポストプロダクションまで携わる会社だ。私は、制作の現場を実際に体験してみたく、インターンシップへの参加を決めた。

インターンでは私の業務として、データ入力や書類整理と、YouTubeに投稿するサウンドトラックの動画制作をやらせていただいた。データ入力を行う業務の中には、サウンドトラックの著作権を申請する仕事もあった。作品がどのような過程を経て著作物として認められるのか、また印税がどういう仕組みで、どれくらい支払われているかなど、知る機会があった。楽曲制作という形に残らないクリエイティブな仕事をビジネス的な視点で体験し学習できた反面、何かを制作する際、使用する著作物に注意を払わなければいけないことを学んだ。

他にも業務として、YouTubeに流すサウンドトラックの動画制作も行わせていただいた。松竹音楽出版では公式のYouTubeに、リリースしているサウンドトラックの楽曲を一曲ずつ投稿している。その音楽にあてる映像を制作させていただいた。

 

以下、制作した動画

https://www.youtube.com/watch?v=xGUrmA_Nskw

 

社員の方からは、「若者世代がみてくれるような動画を作って欲しい」と指示をいただいた。なるべく飽きないような映像を心がけつつ、絵でその作品を表せるようにするなど、様々な工夫を凝らし制作した。今まで制作してきた自身の作品は、自分の中で答えを見つけ、自分が納得することがゴールだったが、今回は不特定多数の視聴者を意識して、より多くの人に見てもらうことが目的であったため、他人を意識して作ることの大変さを学べる良い経験になった。そのため、作った動画に高評価がついたときは、かなりの達成感と充実感を得ることができた。

また、今回のインターンシップでは劇伴制作の現場やMA作業の現場にも、見学として同行させていただいた。制作現場では、映像に合わせアーティストがその場で音楽をあてていた。監督がイメージを伝え、演奏者がそのイメージを音として表現するという工程が何度も行われた。イメージという抽象的なものを音という具体的なものにその場で変換できる演奏者に衝撃を受けた。また、音楽が映像に与える影響も強く感じた。普段、劇伴付きで完成されたものを見ているため、私自身、音楽を意識することがあまりなかった。しかし今回、劇伴がつく前の作品と、ついた後の作品を見る機会があった。音楽があるものとないものでは、与える印象が大きく変わることを実感した。MAの現場に行った際も同じことを感じた。効果音ひとつでシリアスなシーンはより強烈に、笑える場面はより和やかになった。また、MAの現場では、あるシーンに一言入れたいということになり、急遽私の声が採用され映画に使われることになった。この出来事はとても貴重な経験になった。

今回のインターンでは、とても多くの貴重な経験ができた。実際にプロとして働く人々の姿を見ることができたのは特別な体験であったと感じている。現場を見学させていただき、プロの人々はどんな水準で仕事をしているのか肌で感じて体験することができた。自分の目指すレベルの高さを実感しつつ、自分もこの一員に加わりたいと実感できた、とても実りのあるインターンシップになった。

松竹音楽出版株式会社でのインターンシップの様子

2025/08/25

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