日本大学芸術学部映画学科

2022年度インターンシップレポート第2弾です。今回、インターンシップで学生を受け入れていただいた企業は、アルバトロス・フィルム社です。理論・批評専攻の矢川紗和子を受け入れていただきました。

インターンシップ報告書

矢川紗和子

アルバトロス・フィルムで7月中旬から9月中旬まで、計20日間のインターンシップに参加させていただきました。アルバトロス・フィルムは洋画作品の買い付け、劇場用映画配給、邦画製作、D V D販売等を主な事業としている会社です。

初日は、コピー機とパソコンの連携や劇場へ送付する際の梱包の仕方、送り状の書き方など、会社の基本的なお仕事を教えていただきました。梱包作業をする部屋には、映画のチラシやポスター、プレスやパンフレットがたくさん置いてありました。これから公開される作品はもちろん、中には過去に見たことのある作品のチラシが置いてあり、胸が躍りました。

私は主に、宣伝部のお仕事を教えていただきました。出社したらまず、届いた郵便物の仕分けや新聞のチェックから始まります。朝日、読売、毎日新聞の夕刊を見て映画に関連する記事が掲載されていたらその部分をコピーしパソコンのファイルに追加します。全ての社員さんが最新の映画情報としてご覧になられるので、新聞の確認は大切な作業だと思いました。その後の業務は担当の方の指示によって日々異なります。

最初の方は当時公開予定だった『灼熱の魂』(2022年)の宣伝業務をお手伝いさせていただきました。フランス語の映画なので、フランス語学科のある大学や専門学校、語学スクールを探し、電話で「チラシとポスターを置いてもらえないか」とひたすら聞く宣伝業務です。接客のアルバイト経験があったので言葉遣いに関しては少し知識がありましたが、今までこのような電話をしたことがなかったので、最初はとても緊張しました。電話で承諾を得たら、作業部屋で梱包します。私は学校にチラシが置いてあるとその映画を見たくなるので、この作業は重要だと思いながら作業をしました。

デスク作業では他に、公開予定(外国映画)の元資料を日本語にする作業をさせていただきました。監督、スタッフ、キャストのプロフィールやストーリー概要、キャラクター説明などを日本語に直し新しい資料を作成する仕事です。単に日本語にするだけではなく、過去の監督/出演作品をIMDbやallcinemaを利用して正確に引用します。英語の作品資料は翻訳や(最低限ですが)自分の知識でわかりやすい日本語に翻訳できますが、中国語の作品は知識もなければ翻訳検索してもおかしな日本語になってしまうことが多く、時間を要する難しい作業でした。

そのほかには、パンフレットの販売ページ作成を行いました。過去の作品から最近の作品まで、パンフレットをかき集めて表・裏表紙をコピーし、ページ数や在庫数、目次等を入力します。たくさんのパンフレットを扱わせていただいたこのお仕事は、映画のコラムや紹介文を書いている著名な方のお名前を知る機会となり、また作品ごとに特色を捉えたデザインをたくさん見ることができ勉強になりました。

インターンの中盤には二日間ほど、映画の試写会に同行させていただきました。試写会担当の方からは「コロナ禍のためオンラインでも実施している」「前と比べて上映試写は大幅に減ってしまった」と教えていただきました。一日目の試写会場の席は多く埋まっていましたが、二日目は一日目に比べると来場者数が少ないように感じました。配信サービスやzoomの普及と同じく試写のやり方や来場者数までもがコロナの影響を受けている事実は、実際に立ち合わせていただいたことで初めて実感しました。

営業部の方がインスタ運用に関して質問してくださいましたが、私は閲覧ばかりで投稿をあまりしないのでやり方がわからず、答えられませんでした。S N S内の編集や投稿に関しては扱い慣れておくと「若者」ならではの強みになるので、今更ですが使いこなせるようになろうと思いました。

アルバトロス・フィルムでは一人一人の社員さんが同時期に何本もの作品を担当されていました。特に国際映画祭等の期間は新作の映画を見て買い付けるかどうかを決めなければならない作業があり、とてもお忙しそうでした。そんな中インターンを受け入れてくださり、深く感謝しております。どの分野でも必要な会社の基本的な業務から「映画配給会社ならでは」の業務まで、貴重な経験をさせていただきました。今後は就活に力を入れていく時期になりますが、インターンでの経験を活かして励みたいと思います。

インターンシップでの様子

インターンシップでの様子

2022/10/15

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