12月17日(土)に、公開シンポジウム「女たちが読むロマンポルノ」を開催します。
事前登録をすれば学外の方も参加できますので、以下をご確認の上、是非ご参加ください。
開催日時 2022年12月17日(土)13:00〜16:00
開催地 日本大学芸術学部 A棟B101教室
[概要]
1971年11月に誕生したロマンポルノは、大手映画会社が製作する成人映画として1988年に終焉を迎えるまで実に1100本以上の作品を世に送り出した。神代辰巳、田中登、小沼勝、曽根中生などの傑出した才能を輩出しただけでなく、メロドラマ、時代劇、アクション、ホラー、喜劇、青春映画などありとあらゆるジャンルとスタイルを包摂したプログラム・ピクチャーを製作し続けた点において日本映画史上類をみない。
これまでにも日活は、特集上映やリブート作品の公開、本年も「ROMAN PORNO NOW」と称した新作を発表するなど、過去の遺産を継承しながら、性表現の可能性に挑み続けている。とはいえ、2017年にはじまった#Me too運動以降、ジェンダー・ギャップの問題がようやく日本でも問題となり、映画界もその波にさらされており、日活ロマンポルノも、男性による男性のための映画として製作された経緯があるだけに、真っ先に非難の標的にされることを免れない。だが、近年顕著となったロマンポルノ に対する女性観客の支持を考えると、日活ロマンポルノは、もはや男性だけのものではない。
『日活ロマンポルノ 性の美学と政治学』(志村三代子、ヨハン・ノルドストロム、鳩飼未緒編著、水声社)の刊行に合わせて開催される本シンポジウムでは、日活ロマンポルノ を女性の視点からいまいちど捉え返してみたい。上映予定の『恋狂い』(1971年)は、ロマンポルノの名手として知られる加藤彰監督のデビュー作でありながら、主演の白川和子氏の卓抜な演技力が際立つ作品であり、今日上映する価値はきわめて高い。
白川和子氏は、初期ロマンポルノの発展を牽引した最も重要な女優のお一人であり、『日活ロマンポルノ 性の美学と政治学』にもインタビュイーとして協力されており、日活ロマンポルノの歴史的意義を記録、継承していく点でも、貴重な映画人である。さらに、各方面の専門分野が異なる女性たちに、ロマンポルノにおける演技、録音、ジェンダー/セクリャリティ、宣伝、製作について議論を広げることで、女性から見たロマンポルノという新たな視座を獲得していきたい。
プログラム(予定)
13:00〜 作品解説の後、『恋狂い』(1972年、加藤彰、主演:白川和子)上映(1時間16分)
14:30〜15:30 『恋狂い』および日活ロマンポルノに関するシンポジウム
登壇者(敬称略)
白川和子(女優)、大谷尚子(本学教授)、上倉泉(本学教授)、高木希世江(日活)、大竹久美子(本学非常勤講師、映画宣伝)、菅野優香(同志社大学)司会:志村三代子
※ 当日は、大竹久美子氏が欠席され、ライターの亀山早苗氏にご登壇いただきました。
※本シンポジウムは事前登録制です。お申し込みの方は、下記のリンクからご登録をお願いいたします。
事前登録フォーム
https://forms.gle/UAxtkwN9buhsaXZ78
(登録締切:2022年12月17日(土)10:00まで)
以下、シンポジウム当日の様子を写真でご紹介します。(12/19更新)