日本大学芸術学部映画学科

映表理の授業〈映画ビジネスⅢ〉では、インターンシップを行っています。
今年度のインターンシップもすでに始まっています。

2017年度の第1弾となります。
インターンシップを行ったのは近藤都さん。インターンシップは株式会社「ポイント・セット」で行いました。

インターン報告書
近藤都

 4月から3ヶ月間、ポイント・セットの映画宣伝部にてインターンシップを経験させていただきました。映画宣伝部では試写などのイベントやパブリシティを担っているのですが、複数の作品が同時進行で進められており、作品のジャンルも様々でした。扱われていた作品は『パーソナル・ショッパー』、『猫忍』、『残像』、『ドッグ・イート・ドッグ』、『歓びのトスカーナ』、『夜明けの祈り』などで、予想以上に多くの作品を数人で回していることに驚きました。
 主な仕事内容としてはまず、新聞と雑誌の切り抜きがありました。新聞の映画関連記事、雑誌の映画コーナーなど宣伝部が扱っている作品が掲載されているものを切り抜く作業ですが、新聞や雑誌に限らず求人誌やフリーペーパーなどあらゆる紙媒体の切り抜きを行いました。そしてそれを最終的に各作品ごとに一冊のファイルにまとめるのですが、かなりの厚さになり一作品あたりの記事量に驚きました。また、作品の傾向からどんな媒体にどのようにして載っているのかを意識するようになり、これまでと映画の記事に対する見方が変化しました。出演している役者さんによって男性誌やビジネス誌が多かったり、また『猫忍』という作品では多くの猫雑誌や猫新聞に掲載されており、そもそもそういった媒体を普段読まない私にとってはとても勉強になりました。WEBの方のパブリシティを刈り取る作業もやらせていただいたのですが、こちらは紙媒体と違い記事内容がエンタメ性の高いものが多く、話題性のある人物が出演しているとそれだけ記事も増加している印象でした。パブリストをExcel上に作品ごとに整理していく作業の中で感じたのは、紙媒体と大きく異なる点として、一つの映画サイトからの派生先が多いこと、一つのニュースが複数の映画サイトで共有されているところであり、そのために雑誌などではその読者に限られるものがたまたまSNSなどで目にしたという映画にあまり興味のない不特定多数の人の目に触れる可能性があるということです。今後ますます主流になっていくであろうネット宣伝の状況を理解することができたのは貴重でした。また、パブリストのまとめ方を知ることができたので、今後映画祭を企画する際に実際に似たような形式でまとめていきたいと思います。
 他にはマスコミ試写のプレスリリースの作成やチラシの発送、作品のFacebook用の画像作り、試写のお手伝い、WEB媒体の映画記事の執筆などをさせてもらいました。記事を考える際には、作品をどのような切り口で宣伝していくか、どのような見出しなら目に止まるかということを意識しながら書きましたが、ジャンルに偏ることなく幅広い作品を扱っていたため、各作品ごとに違った視点を持ちながら宣伝の切り口を考えるという経験をすることができました。必ずしも映画の内容に限ったものではなく、例えば『パーソナル・ショッパー』という作品では日本ではパーソナル・ショッパーという職業が馴染みがないためその職業についてまとめたものを書いたり、『歓びのトスカーナ』ではイタリアの精神病院の事情について書きました。また時には同じ傾向の作品を3本ぐらい組み合わせて〇〇映画3本と見出しをつけて紹介したり、ネタバラシを切り口にしたりと様々なアプローチで書けるということを教えていただきました。そのようにして記事を書く中で監督や各国の時代背景、役者の方々について知識が自然と深まるのを感じました。
 そして作品の宣伝に携わっていく中で自然と愛着が生まれる一方で、客観的に見ることの大切さや、逆に自分の好きなジャンルの作品でなくてもどうやったら作品に興味を持ってもらえるかということを常に考える大切さも学ばせてもらいました。仕事内容を始め一つ一つ丁寧に説明していただき、本当に助かりました。また、昼食にも誘って頂き、3ヶ月間はあっという間に過ぎました。今回のインターンで学んだことを生かしながら、まずは12月の映画祭に向けて頑張っていきたいと思います。

「ポイント・セット」でインターンシップを行っているようすです。

「ポイント・セット」でインターンシップを行っているようすです。

2017/07/07

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