日本大学芸術学部映画学科

先日、2年生〈映像表現・理論Ⅱ〉の合同課題のシナリオを載せましたが、今日は、もう1グループのシナリオです。
『単位なき戦い』

登場人物
筒井武(つつい たけし)19歳 一人称は俺 ズボラな性格。
森田和仁(もりた かずひと)19歳 英語の単位人間。
星孝明(ほし たかあき)20歳 単位をとった経験がある。
園部宮子(そのべ みやこ)19歳 清楚な服装 かわいい 狡猾。
男性A
男性B
男性C
男性D
男性E
女性A
女性B
女性C

1 アートセンター前の通り・朝
  通りを歩く人々。
武(M)「単位、それは全ての大学生が背負わ
なければならない十字架」
  ベンチに座って笑いあう女性。
武(M)「いつしか単位は単位人間として、俺
たちの世界に存在するようになっていた」
  筒井武(19)、ベンチに座って携帯電話
  をいじっている。
男性A「あーっ! 単位だ!」
  通りを歩いていた人、ベンチに座ってい
  た女性、筒井武(19)が振り向く。
男性B「(自分の顔を指差して)え、俺が?」
  通りにいた人全員が男性に近づく。
男性B「や、やめろ! 俺は単位じゃない!」
  群衆の中にいた男性A、男性Bを押し倒
  してキスをする。
  人々、我先にと男性Bにキスをせまる。
女性A「違うわ! この人、単位じゃない!」
  人々が男性Bから離れる。
  男性Bの顔には多数のキスマーク。
男性C「なんでだよ、キスしたじゃないか」
女性B「だったら額に単位数が出るはずだわ」
男性D「何の集まり? これ」
男性E「お前知らないの? 単位人間。教科
 ごとに一人いるって噂の」
女性C「やっぱり私が落とした情報の単位人
 間って誰かが取って消えちゃったのかなぁ」
  人々、ぶつくさ言いながら去っていく。
  武、男性Bをじっと見ている。

タイトル「単位なき戦い」

2 教室・朝
  授業終了のチャイムが鳴る。
  森田和仁(19)、鞄に荷物をつめている。
  武、教室に入ってきて和仁の隣に来る。
武「和仁、ノート見せてくれよ」
和仁「なんだまたかよ」
  和仁、鞄から英語と書かれたノートを出
  して武に渡す。
武「サンキュー(席に座る)。(ノートを開い
 て)相変わらず綺麗にまとめてあるな」
和仁「まぁ毎回受けてるし。武もいい加減、
 真面目に授業でろよ」
武「無理無理。だって俺もう英語四回休んで
 るもん。テストがどれだけよくても出席が
 足りないから意味ないの(ノートを投げる)」
和仁「じゃあなんでノート借りるんだよ」
武「(爪をいじりながら)一応勉強しとこうと
 思ってさ。俺今年英語の単位取れないと留
 年なんだよ」
和仁「それこそ真面目に授業に出るべきだろ。
 単位人間なんて馬鹿げた噂信じてないで」
武「(手を止めて)いいか和仁、単位人間はい
 るぜ?」
和仁「お前、何か知ってるのか?」
  武、ニヤリと笑う。

3 教室・夕方(回想)
  『ミステリー研究会』と書かれたドア。
  星孝明(20)、武、教室の中で向かい合
  って座っている。
武「・・・それじゃ星先輩は実際に単位人間
 から単位を取得したことがあるんですね?」
星「あぁ。じゃなきゃこんなこと研究しない」
武「(身をのりだして)どうやったんですか?
 やっぱりキスを?」
星「その噂なんだがな、俺が思うにそれは間
 違いだ」
武「間違い?」
星「正確には単位人間からキスされた場合に
 のみ単位が取得できるんだ。俺の場合、酔
 った男友達にされたキスが決め手になった」
武「なるほど」
星「他にも俺の知らないところで何か条件が
 あるのかもしれないが少なくとも俺はそう
 思ってる。そうじゃないと誰彼構わずキス
 すれば単位が取れることになるからな」
武「確かに。じゃあどうやって単位人間を・・」

4 教室・朝
和仁「怪しい・・・」
武「これは確かな情報だぜ? さっきも表の
 通りでキスしてたけど、ありゃダメだな」

5 アートセンター前の通り・朝(回想)
  人々、我先にと男性Bにキスをせまる
  人々が男性Bから離れる。
  男性Bの顔には多数のキスマーク。

6 教室・朝
和仁「(訝しげに)それで? 肝心の英語の単
 位はみつかりそうなのか?」
武「実はもう目星が・・」
  園部宮子(19)、後ろから武に抱きつく。
宮子「おはよう! 武、和仁」
和仁「おはよう宮子ちゃん」
武「びっくりした・・いきなりやめろよ宮子」
宮子「(笑いながら)驚かそうと思って」
武(M)「園部宮子、俺は密かに彼女が単位な
 のではないかと疑っている」
宮子「何の話してたの?」
和仁「単位人間の・・」
武「(遮って)いいや別に。ちょっとした世間
 話だよ。宮子は何してたんだ?」
宮子「何って・・英語受けてたんだよ英語」
  宮子、鞄からノートを取り出して見せる。
  表紙には筆記体で名前が書かれている。
宮子「私がこの時間、別クラスの英語取って
 るって忘れちゃった?」
武「(ノートを見て)そうだったそうだった」
宮子「全く・・・あ、そうだ私お腹すいちゃ
 ったからコンビニ行かない?」
武「おう(立ち上がる)」
和仁「俺は弁当持ってきてるから」
宮子「そっか、じゃあまた後でね」
  武、宮子、教室から出て行く
  和仁、鞄から弁当袋を取り出す。

7 コンビニ前・朝
  武、靴紐を結んでいる。
  武、宮子、ベンチに座っている。
武「結構売り切れてたな」
宮子「授業終わって時間経ってたからね」
宮子「また同じの食べてる。体に悪いよ」
武「お前だって」
  宮子、大学芋を食べている。
宮子「いいじゃん好きなんだし」
武(M)「先輩から聞いた単位人間の特徴は二
 つ。一つは、彼らは毎日必ず大学芋を食べ
 ているということだ」
宮子「どうしたの?」
武「ん? いやなんでもない」
宮子「私の顔に何かついてる?」
武「そういうわけじゃ・・(ごまに気付いて)
 あ、そこ(指差して)ごまついてる」
宮子「え〜どこ?」
武「ほらそこだよ」
宮子「(ドキッとした表情で)!」
  武、宮子の口元からごまを取って食べる。
武「気をつけろよ」
宮子「う、うん(武から顔を背ける)」
武「(宮子を見つめながら)・・・」

8 アートセンター前の通り・夕方
  武、歩いている。
武(M)「そしてもう一つは自身が司る教科が
 得意であること」

9 教室・朝(回想)
  宮子、鞄からノートを取り出して見せる。
  表紙には筆記体で名前が書かれている。

10 アートセンター前の通り・夕方
武(M)「おそらく宮子は英語が得意。やっぱ
 りあいつは・・(立ち止まって)ん?」
  宮子、和仁、一緒に歩いている。
武(M)「宮子と和仁。珍しいな、あの二人が
 二人っきりで一緒に帰るなんて」
和仁「・・そしたら人違いでさ! 誰ですか
 あなたって変な人扱いされちゃったよ〜」
宮子「あはは、そんなことってあるんだね」
  宮子、和仁、いい感じ。
武(M)「なんだか和仁の様子がいつもと・・
 まさかあいつ、宮子が単位人間だって気付
 いたんじゃ・・・まずい! あいつは単位
 の取得方法を知ってるぞ!」
  武、宮子と和仁のところに走っていく。
宮子「あ、武」
武「宮子、話があるんだ」
宮子「(きょとんとした顔で)なに?」
武「ちょっと来てくれ」
  武、宮子の手を引っ張って走り去る。

11 ビーナス像前・夕方
宮子「ちょっと武、離してよ」
  武、手を離す。
宮子「どうしたの? 何かあったの?」
武「なぁ宮子。お前、俺の事が好きなんだろ?」
宮子「! (恥ずかしそうに)・・・うん」
武「俺もお前と同じ気持ちなんだ」
  武、宮子に近づく。
武「キスしてくれ」
  宮子、武にキスをする。
武(M)「成功だ! これで英語の単位は俺の
もの・・・!」
  宮子、唇を離す。
武(M)「・・・? 変だぞ何も起こらない。
 彼女の額にも何も浮かんで・・・」
宮子「浮かんでこない、って思ってるでしょ?」
武「え?」
宮子「ふふ、いい反応だわ武くん。期待通り」
武「どういう事だ?」
宮子「ごめんねあたし、単位人間じゃないの」
武「(驚いた表情)」
宮子「大学芋を食べてたのも英語が得意そう
 にしていたのも全てあなたを騙すため。本
 当は英語なんて得意じゃないのよ、あたし」

12 廊下・夕方(回想)
星(M)「その噂なんだがな、俺が思うにそれ
 は間違いだ」
武(M)「間違い?」
  星と武の声が聞こえてくる。
宮子、『ミステリー研究会』と書かれた
  ドアの前で立ち止まって耳を傾ける。
星(M)「正確には単位人間からキスされた場
 合にのみ単位が取得できるんだ」
宮子「(悪い表情)!」

13 ビーナス像前・夕方
宮子「その後の話も随分参考になったわ。単
 位人間の判別方法とかね」
武「そんな・・・なんで俺を騙したんだ!?」
宮子「楽しかったからに決まってるじゃない。
 あなた今年英語の単位が取れなかったら留
 年なんだってね。道理で焦るわけだわ、そ
 のせいで大事な事を見落としちゃったみた
 いだけど」
武「大事な事?」
  和仁、走って表れる。
武「和仁・・?」
宮子「そう、和仁こそが英語の単位人間よ」

14 教室・朝(回想)
  和仁、鞄から弁当袋を取り出す。
  袋を開けると大学芋が表れる。

15 ビーナス像前・夕方
武「そんな・・・」
宮子「本当ラッキーだったわ。あなたを騙し
 て楽しめるのと同時に英語の単位も取れる
 だなんて」
  宮子、和仁に近寄る。
宮子「さぁ和仁、キスして」
和仁「宮子・・全部、知ってるんだね?」
宮子「えぇ」
和仁「そうか・・(武の方を見て)悪いな武、
 でもお前が真面目に授業に出ていればこん
 なことにはならなかったんだぜ」
  和仁、宮子にキスする。
  武、呆然とその様子を見ている。
  和仁が光出し、和仁の額に4の文字が
  浮かび上がる。
和仁「うぉぉぉぉぉ」
  和仁、消える。
  武、膝から崩れ落ちる。
  エンドロール
 「脚本 佐藤友誼 登録単位数41 
  取得単位数39」

2016/05/15

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