日本大学芸術学部映画学科

 映像表現・理論コースの「映画ビジネスⅢ」では各映画会社などでインターンシップを行っています。
昨年度も紹介しましたが、今年度のインターンシップが始まりました。
今年度のインターンシップに参加した学生から、その報告・感想が届いています。
「日活株式会社」でインターンシップを行なった丸山くんです。

 
「今回、私はインターンシップで日活株式会社にお世話になりました。日活といえば溝口健二や今村昌平といった日本を代表する監督を輩出し、1970年代には言わずと知れた「にっかつロマンポルノ」を製作、近年でも『冷たい熱帯魚』『私の男』など国内外の映画祭を賑わせた話題作を製作・配給してきた日本で最も歴史ある映画会社です。そのような企業で実際の業務を体験させていただけるのは、大学で映画を学ぶ身としてこれ以上ない貴重な経験になると思い、インターン先として希望させていただきました。

日活の本社ビルは丸ノ内線の本郷三丁目駅から徒歩5分ほどの場所にあり、私は映画配給チームという部署のお手伝いをさせていただきました。映画配給チームの主なお仕事は、自社製作作品及び配給作品の劇場配給業務全般、パブリシティへの掲載と企業タイアップや各種イベントなどの宣伝展開全般、旧作の上映管理や興行収入の管理など多岐にわたっており、映画が劇場で上映されるための一連の業務を一括して担当しています。

オフィス業務自体が初めての経験であり、初日を迎えるまでは自分にお手伝いができるものか不安もありましたが、いざ始まってみるとチームの皆さんが一つ一つの業務を懇切丁寧に(作業のための情報だけでなく、映画配給の仕組みに至るまで)説明していただけたので、混乱することなく有意義に業務に取り掛かることができました。

私が主に携わらせていただいたのは、劇場との上映確認書の作成、興行収入の金額チェック、新聞や興行通信各紙の整理、送付物の準備、保管庫の整理といった平常業務に加え、ちょうど時期(5月中旬~7月中旬)的に三池崇史監督の最新作『極道大戦争』(6月20日公開)の宣伝活動がピークであり、その試写会イベントで劇中に登場するキャラクター「KAERUくん」の着ぐるみのなかに入ってお客様と接したり、キャスト登壇の初日舞台挨拶で裏方のお仕事をさせていただいたりと映画会社ならではのイベント業務もいろいろと経験させていただきました。ほかにも来年公開の作品の内覧試写に同行させていただいたり、舞台挨拶後の打ち上げや撮影スタジオなど普段は決して足を踏み入れる機会のない場所にも立ち会わせていただいたりと、一生心に残る体験となりました。

オフィスの雰囲気も、社員の皆さんがテキパキと仕事をこなしながらとても和気藹々としており、緊張していた私にもお忙しいなか気軽にお声をかけてくださるなど、あまりの居心地の良さに週2回のインターンでは物足りなく感じるほどでありました。お仕事をされている社員さんを見ていると「より良い作品を、より多くのお客様に観てもらいたい」という情熱がひしひしと感じられ、映画は撮影現場だけでなく多くの方のクリエイティブな仕事に支えられているのだと実感しました。

私が至らぬばかりにご迷惑をおかけしてしまう場面も多々ありましたが、そこも含め社会経験として大変勉強になりました。終わってしまえばあっという間の20日間で、皆さんとのお別れが名残惜しい気持ちでいっぱいですが、「映画ビジネス」の次の課題である学生映画祭に向けて懸命に取り組んでいける糧となりました。終わりになりますが、とても幸福な経験を積ませていただいた日活の皆さんに心よりお礼申し上げます。

                            丸山雄也                 」

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2015/08/08

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